2015.12.10
食品安全委員会からのメッセージ
一昨日、消費者庁から「健康食品」に関する報告書及びメッセージが取りまとめられ、公開されました。
健康食品やサプリメントは食品ではありますが、食品や植物などに含まれる栄養素だけを濃縮して摂取するわけですから、不適切な使い方をすると健康を害することもあります。ただ、現実は、健康食品やサプリメントの適切な選び方や使い方、品質の見分け方などについて、専門家に相談する機会も少なく、たいていは、広告や口コミで購入しています。
そのため、健康食品による健康被害も少なくないことから、食品安全委員会として健康食品について知っておいて欲しいことをまとめたというわけです。
そのエッセンスは以下の通りです。
1)「食品」であっても安全とは限りません。
2)多量に摂ると健康を害するリスクが高まります。
3)ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。
4)「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。
5)誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。
どうでしょうか、こう見てみると「当たり前」なことばかりですよね。
ただ、サプリメントや健康食品は、どうしても、都合よく解釈され、過大に期待されるてしまう状況にあるように思います。
たとえば、医薬品は副作用もあって「怖いところがある」けれども、サプリメントは「からだによいもの」なので少し多めに摂るとより効果的ではないかと。医薬品に対して漢方薬のほうが気軽に飲めると同じように。
これって全くの思い込みですね。
どんなにからだによいものでも、からだが必要とするものであっても、摂り過ぎと毒に変身します。水しかり、ブドウ糖しかり、必須栄養素しかりです。
また、たとえば、外見はカプセルや錠剤で医薬品と全く同じです。そのため、「ちゃんと」製造されているのではないかと。
これって全くの錯覚ですね。
医薬品と食品の製造レベルには大きな差があります。外見に騙されてはいけません。
サプリメントと言えども、自分に必要なもの、信頼できるものを選択し、そして、正しく使う必要があるというわけですが、さてそれでは、そのような環境が整っているかというと、全く整っているとは言い難い状況です。
サプリメントの情報は氾濫しているとよく言われますが、ほとんどは「販売情報」です。要するに、販売者がたくさん売るための情報であって、消費者が適切に選び、使うための情報とは大きなズレがあります。
そのため、往々にして過大な期待を抱いてしまう状況に置かれてしまっているのだと思います。
であれば、消費者としては2つに1つです。サプリメントは使わない、食生活を徹底的にこだわるという選択が1つ。もう1つは自ら判断する目を養うべく、情報から取捨選択し、知識を身につけ、サプリメントを賢く活用するというものです。
現代ではサプリメントだけでなく、いろいろな加工食品が出回っていますし、食品も溢れています。サプリメントを使う使わないにかかわらず、「食」、すなわち、自分や自分の家族が口にするものを適切に選ぶことは避けて通れないと言っても過言ではありません。
やはり、賢い消費者、生活者を目指すことはとても大切なことになってくると思います。
私たちは、「納得して選び、安心して使っていただきたい」との思いから、できるだけ選ぶために必要な情報を発信したり、個別のご相談を承っています。
そういう意味で今回の食品安全委員会からの情報も役立てていただければと思います。
*食品安全委員会・「健康食品」に関する情報
細川