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外から入れるか、自分でつくるか

2015.11.24

外から入れるか、自分でつくるか

サプリメントで補充する栄養成分には体内でつくることができないものと体内でつくっているものがあります。自分でつくることができないものは食事から摂るしかありません。ビタミン(ビタミンDやビタミンB12は除く)やミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸などですね。

それに対して、コエンザイムQ10やL-カルニチン、αリポ酸などの補酵素は食事からも摂っていますが、ほとんどは体内でつくっています。ミトコンドリアで働き、エネルギー産生に関わり、強い抗酸化作用ももっていますが、だいたい、30代後半くらいから体内でつくる量が減ってくるのですね。そのため、エネルギー産生効率や抗酸化力が落ちたりして、老化の一因になっているのではないかと考えられてもいます。そのため、これらの成分はアンチエイジングのサプリメントとして期待されているというわけです。

ただし、それらの成分を外から入れればいいかという、そうとも言い切れません。下の図をご覧ください。
carnitine

L-カルニチンは上の図のように、主に肝臓、腎臓でアミノ酸のリジンから何段階からの変換を経てつくられているのですね。そして、そのプロセス、たとえば、「rimethyllysine」が「Hydroxytrimethyllysine」に変換されるためには、必ず、ビタミンCと鉄が必要とされ、「Hydroxytrimethyllysine」から「Γ-Butyrobetainealdehyde」に変化される際にはビタミンB6が、そして、「Γ-Butyrobetainealdehyde」から「Γ-Butrrobetaine」に変換される際にはナイアシが、そして、最終段階の「Γ-Butrrobetaine」が「カルニチン」に変換されるためにはビタミンCと鉄が必要なのです。

L-カルニチンは加齢によりつくる量が減ってくると言われていますが、もしも、ビタミンCやビタミンB6、ナイアシン、鉄のうちの1つでも不足すれば、うまくつくれなくなるのです。

つまり、L-カルニチンが少なくなるのは、決して、年だけのせいではないのですね。

ですから、L-カルニチンをサプリメントで補充する前に、食生活を見直したり、サプリメントを使うのであれば、マルチビタミンミネラルを摂り、体内でL-カルニチンが十分のつくられるようにすることが先決なのです。

もしも、ビタミンやミネラルが不足してL-カルニチンがうまくつくれなくなっているのであれば、そこをおろそかにして、最後につくられるL-カルニチンを補充しても、ビタミンミネラル不足が他に及ぼしている影響は取り除くことができないからです。

もちろん、緊急避難的にL-カルニチンを補充するのありだと思いますが。

外から入れるか、自分でつくるか、という視点が大切ですね。

細川

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