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“何を食べるか”だけでなく、”いつ食べるか”も重要です

2011.06.16

“何を食べるか”だけでなく、”いつ食べるか”も重要です

これまでは、健康的な食生活というと、主に”何を食べるか”が語られてきました。ところが、”いつ食べる”のかもとても大切であることがわかってきました。

アメリカのペンシルバニア大学の研究チームは、ショウジョウバエを使った実験で、不規則な時間にエサを与えると、規則正しくエサを与えたときに比べて、1日の平均産卵個数が減少してしまうことを確かめたと専門誌に発表しています

そもそも、地球上の生物には、動物、植物にかかわらず、全ておおよそ24時間のサイクルで変動するリズムが備わっています。

サーカディアン(慨日)リズムって聞いたことがあると思いますが、そのことです。

実は、私は、このサーカディアンリズムは、太陽の光を脳が察知してつくりだされるものだと、これまで思っていました。

ところが、それは間違いで、私たちは体内に時計をもっていて、それがサーカディアンリズムをはじめとして、さまざまなリズムをコントロールしているということを今回知りました。

つまり、真っ暗な中で生活しても、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるというのです。

その体内時計は2種類あって、脳内の中枢時計と全身の細胞にある末梢時計があるそうです。中枢時計が親時計で、末梢時計が子時計として、子時計が親時計にあわせるのだといいます。

ただし、この体内時計は24.5時間周期なので、1日に30分の割合でずれてしまいます。そのため1日に1回リセットする必要があります。

どうするかというと、朝に太陽の光を浴びたり、朝食を食べることで、リセットします。

ですから、リセットが不十分だと、すなわち、朝に太陽を浴びなかったり、朝食を抜いたりすると、体内時計が狂いやすくなるのです。

さて、アメリカの実験ではショウジョウバエを一定の明るさで飼育し、光の影響を排除し、不規則な時間にエサを与えました。そのことで、ショウジョウバエの肝臓にあたる細胞にある末梢時計を乱したわけです。体内時計は光と食事に最も影響を受けるそうです。

そして、DNAチップで肝臓にあたる細胞の体内時計を動かす遺伝子の発現を調べ、末梢時計が乱れたことを確認しました。

その結果、1日の平均産卵個数が8個から5個に減ってしまったというのです。

不規則な食事が卵巣の機能を低下させたおそれがあるというわけです。

何を食べるかもさることながら、いつ食べるかも卵巣の働きに影響したということになります。

ショウジョウバエは、人間とほとんど同じ遺伝子を使って時を刻む体内時計をもっていますので、人間にもあてはまる可能性が大なのです。

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