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葉酸の高濃度摂取はビタミンB12欠乏を招くことはない

2011.06.14

葉酸の高濃度摂取はビタミンB12欠乏を招くことはない

アメリカのNIH(国立衛生研究所)の研究者らは、サプリメントや葉酸が添加されたシリアルによる高濃度の葉酸摂取がビタミンB12欠乏を招くことはないとの研究結果を発表しました。

葉酸が不足すると先天異常の子どもが生まれるリスクが高くなることから、日本の厚生労働省は妊娠の可能性のある女性に、妊娠する前からサプリメントで葉酸を補充することを推奨しています。

アメリカでは、もっと徹底していて、シリアルや穀物に葉酸を添加するように法律で義務づけています。日本で言えば、お米に葉酸を添加するようなもので、いわば、強制的に葉酸を摂らせているわけです。

それほどに、葉酸の摂取による先天異常のお子さんが生まれる予防効果が確実なわけです。

ただし、そのように国民に強制的に葉酸を摂らせてから、ビタミンB12欠乏を悪化させたのではないかと懸念されていました。

ところが、今回、2,500人以上の大学生を対象に実施された試験で、サプリメントや添加食品で葉酸を高濃度に摂取することで、ビタミンB12欠乏を悪化させないことを確認したとのこと。

葉酸摂取で予防できると考えられている先天異常は、神経管閉鎖障害をはじめ、口唇口蓋裂、心奇形などです。

これまで葉酸摂取の副作用として、妊娠後半での葉酸サプリメント摂取は子の喘息のリスクを17%上昇させるとの報告がありますが、それでも葉酸を摂取することのメリットはあまりあるものがあると考えられています。

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