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環境ホルモンによる妊娠率の低下を防ぐ?

2016.02.04

環境ホルモンによる妊娠率の低下を防ぐ?

とても興味深い研究結果が発表されました。

大豆食品が、あの、カップ麺の容器から溶け出すという、悪名高い「ビスフェノールA(BPA)」の害を打ち消すかもしれないというものです。

体外受精を受けている女性を対象に実施された臨床試験で、大豆食品を食べていなかった女性では尿中BPAの濃度が高くなるほど治療成績が低くなるという傾向があった一方で、大豆食品を食べている女性では低くならなかったというのです!

翻訳書「妊娠しやすい食生活」の原著著者でもある、ハーバード公衆衛生大学院のチャバロ先生らによる研究です。

驚きました。

そもそも、チャバロ先生は、昨年、体外受精を受けている女性の尿中BPA濃度と治療成績との関連を調べています。当然、体内のBPA濃度が高い女性ほど治療成績が低くなるだろうとの予測していたのですが、それに反して、関連はなかったという結果だったのです。

仮説を立証することができなかったわけです。

納得のいかない研究チームでは、過去にネズミを使った試験で、大豆を混ぜた餌を食べたネズミの生殖能力はBPA濃度の影響を受けなかったという研究報告があったことから、人間にもあてはまるかもしれないとの仮説を立て、見事、それを検証したのです。

そう言えば、昨年、中国の研究で、ビタミンB群がDDTによる妊娠率低下作用を防いだという報告がなされていたことを思い出しました。

ビタミンB群(B6、B12、葉酸)が不足している女性では環境ホルモンによる妊娠率の低下がみられたが、不足していない女性ではみられなかったというものでした。

なるほど、食品の含まれる成分というのは、いろいろなメカニズムを介して、妊娠、出産をベースで支えているのだなと、改めて、感心しました。

なんでも、偏りなく、食べる、これに勝るものはありませんね。

細川

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