2015.12.17
メカニズムを知ることで食事の意識も変わる
YFPの中で私が担当している記事に「栄養素の基礎を学ぼう」があります。
毎回ひとつの栄養素を取上げて、その特徴や体内での働き、また過不足した場合どうなるか、どの程度摂取すればよいのか等を説明しています。
この記事を作成するに当たり、専門書や関連資料とみらめっこしつつ、私自身も勉強しながら取組んでおります。
最近は、その栄養素を食べ物から摂ったときに実際に体の中でどのように代謝され、働いているかとイメージするようにしています。そうすることで、外からは見えないけれどもカラダの中の、この臓器や細胞内で、頑張って働いてくれているんだと思うことで、改めて人間の体は食べたもので作られているのだと痛感します。
例えば、YFP11月号で取上げた「ビタミンB1」の主な働きをご紹介します。
ビタミンB1には、人間が生きていく上で、とても大切な役割があります。それは、炭水化物やアルコールなどの糖質が分解されエネルギーに変わるときに、必要となる酵素の「補酵素」として働くことです。
具体的には、以下の図のように、糖質が代謝され、ピルビン酸からアセチルCoAという物質に代謝される過程で、補酵素としてビタミンB1が働いています。また、エネルギーを作り出すTCA回路でも補酵素として働いているのです。
酵素は、補酵素と結合して作用を発揮することができるので、どちらか片方が欠けてしまうと、その作用は発揮することができなくなってしまいます。
ビタミンB1が不足してしまうと、アセチルCoAへの変換ができずに、乳酸として体内に蓄積されてしまいます。この乳酸が、倦怠感や疲労感を起す原因になります。疲れたときにはビタミンB1を摂ればよいというのは、このメカニズムを知っていると納得です!
ビタミンB1って体内で重要なポジションを担ってますよね。他にも中枢神経や末梢神経の機能を正常に保つ働きや心臓の機能を保つ働きがあります。
今回はビタミンB1を取上げましたが、他の栄養素についても皆、同じことがいえます。
私達のカラダの中でそれぞれの役割を全うしてくれているからこそ、こうやって生きていけるのです。そう思うと、自然と食べ物に対して感謝の気持がわいてきます。
私自身もそうですが、栄養素が体内でどんなメカニズムで働いているかを少しでも理解することで、より食べることへの意識も高るのではないかと思います。
今日はランチでデザート食べていつもより糖質摂りすぎちゃったな・・・こんな日には、そうだ!ビタミンB1を多く含んでいる豚肉に吸収効率を高めてくれるニンニクやネギを入れて、カラダが温まるキムチ鍋にしよう!・・・私はこんな感じです。もちろん、サプリメントで補充するもの選択肢のひとつですよ!
江坂