2013.08.23
良質な卵を育むための「食べ方」のヒント
最近、食と妊娠する力について、2つの研究報告が相次いで発表されています。
1つはアメリカからで、体外受精を受ける女性120名を対象に、3大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)の摂取バランスと治療成績の関係を調べたもの。もう1つはイスラエルからで、太っていないPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の女性患者60名を対象に、朝、昼、夜の3食のカロリーバランスと排卵しやすさの関係を調べたものです。
食と妊娠する力と言っても、「これを食べると妊娠しやすくなる!」というようなものではなく、「食べ方」が大切だという内容です。
具体的には、まずは、炭水化物を少なく、たんぱく質をしっかり食べるほうが胚盤胞到達率、妊娠率ともにいいということ。もう1つは、朝ご飯をたくさん食べて、昼、夜になるにしがたって、少なく食べるほうがホルモンバランスが整うことで排卵しやすくなるというものです。
驚きですね!
それぞれの研究に携わったドクターのインタビュー記事や論文をみてみると、どうやら注目すべきは「インスリン」のようで、インスリンが分泌され過ぎるのは、生殖活動をコントロールするホルモン環境にマイナスの影響を及ぼすことで、妊娠や出産には大敵なようです。
そして、そのインスリンの分泌を促すのが「炭水化物」なわけです。
手っ取り早いのは炭水化物を制限する食べ方、今、流行の「糖質制限食」です。糖質制限はいい卵をつくりたいという女性にとっても効果的なわけですが、注意しなければならないのは、単に炭水化物を食べない、我慢すればいいという単純なものではなく、その分、たんぱく質や脂質をしっかりと食べる必要があるということです。
そして、朝、昼、晩のカロリーバランスもインスリンの分泌に影響します。朝、少なく、夜にどかんと食べるのは食後血糖値の急上昇につながり、反対に、朝、しっかり食べ、夜、少なくすると、食後血糖値の上昇が緩やかなものになるからです。
いかがでしょうか?
食後の血糖値の上昇をゆっくりにする食べ方がポイントになります。
そして、このような食べ方が「当たり前」になると、いい卵をつくるのによい影響を及ぼすだけでなく、太りにくく、糖尿病をはじめとする生活習慣病にかかりにくくなります。
いいことづくめ、ですね。